百里基地で、初の日独共同訓練の中止を申入れ

 去る9月20日防衛省は、日独共同、ドイツ空軍がインド太平洋地域での大規模訓練の一環として、9月27日から30日の日程で百里基地に訪日し、航空自衛隊と独空軍で共同訓練及び部隊間交流を実施することを発表した。

 訓練はすでに終了したが、ドイツ側は「ユーロファイター」戦闘機が3機、空中給油機1機、輸送機1機が飛来し、搭乗員及び整備員約60名参加。航空自衛隊側は百里基地のF2戦闘機3機が参加し、経路上の空域(富士山周辺との情報)で共同訓練を実施した後、百里基地に飛来し、基地内で部隊間交流(懇親会など)が行われた。

 防衛省は今回のドイツ空軍の訪日と訓練は、「自由で開かれたインド太平洋」ビジョンへのドイツの関与を示すものとしており、「航空自衛隊の戦術技術の向上、日独空軍種間の相互理解の促進及び防衛協力の更なる深化」を共同訓練の目的としています。

 9月20日には浜田防衛大臣が記者会見で、「ドイツはインド太平洋地域への関与を強化しており、昨年はフリゲート艦『バイエルン』がインド太平洋地域に派遣され、わが国と共同訓練を実施した。今回のドイツ空軍の戦闘機による初来日は、日独防衛協力の深化を象徴するものだ。『自由で開かれたインド太平洋』の維持・強化のため、今後も基本的価値を共有するパートナーであるドイツと連携していく」と述べました。

 インド太平洋地域への関与する共同訓練は、対中国を念頭とする両国の軍事一体化であり、これは軍事的な緊張を高め、日本国憲法が禁じてきた自衛隊の海外派遣につながるものであり、これを許してはなりません。

 また、今回の共同訓練は「展開経路上」で行われるとはいえ、百里基地へ戦闘機や訓練機が飛来し、部隊間交流が行われるなど、百里基地での共同訓練の既成事実が積み重ねられ、基地機能が強化されていくことには絶対反対です。

 共同訓練の前日の9月26日には、百里基地反対連絡協議会(平和擁護県民会議や県平和委員会、社民党、共産党、新社会党など8団体で構成)の代表者ら5人が百里基地正門前を訪れ、浜田 靖一防衛大臣と石村 尚久百里基地司令宛ての「共同訓練中止を求める申し入れ書」を読み上げ、同基地の専門官に手渡した。

 

共有する