昨年12月23日、茨城平和擁護県民会議は、トリチウム汚染水の海洋放出に反対する学習会を開催し、地方議員や市民26人が参加しました。
鈴木博久代表はあいさつで、「政府が2年後をめどに福島原発事故の汚染水の海洋放出を決め、茨城県も知事が安全なら流してもいいなどと発言したが、我々は断固反対だ。東海第二原発の再稼働反対と一緒に大きな運動にしたい」と訴えました。続いて、社民党県連合の井坂章代表も「海が汚されて漁業ができなくなるという声がある。海洋汚染を許してはならない」と挨拶しました。
福島からの報告では、脱原発福島県民会議の佐藤龍彦さんから海洋放出方針の再検討を求める署名が18万筆集まり政府に提出したことが紹介され、「福島原発事故の責任を誰もとらないで、汚染水を流そうとしている。東電や国は再び被害者に加害行為を行う政府方針は許せない」と訴えがありました。
続いて、脱原発県民会議アドバイザーもしている医師の振津かつみさんが「海洋放出の問題点」と題して講演し、「国や東電は関係者の理解なしにいかなる処分も行わないとした約束違反だ。海洋投棄を禁止した国際法違反だが、政府交渉では『投棄と放出は違う』と開き直っている。汚染水の海洋放出による魚介類や生態系への影響もある」と説明しました。
学習会に参加して、海を汚し、漁業者を犠牲にし、消費者にも影響する海洋放出は認められないことが明らかになりました。
海に境はありません。汚染水を福島第一原発の沖合で流せば、福島の海も茨城の海も汚します。
岸田政権はトリチウム汚染水(ALPS処理水)の海洋放出(海洋投棄)を撤回し、安全な陸上保管の継続も含めた、再検討をしていくことが求められています。