百里基地での日仏共同訓練の中止を要請

 7月19日~20日の2日間、航空自衛隊百里基地で初めてとなる日仏共同訓練が行われた。訓練にはフランス航空宇宙軍からラファール戦闘機4機や空中給油機3機、輸送機3機が着陸し、部隊260人が参加、空自からは百里基地所属のF2戦闘機2機が参加した。

 今回の訓練は、フランスとドイツとスペインの3か国がインド太平洋地域に関与強化を図るためのものとしているが、防衛省側にはNATO諸国と連携した安全保障協力を強化し、中露などを念頭に「自由で開かれたインド太平洋の維持・強化」を図る戦略が見える。19日には北海道の千歳基地にもドイツ空軍とスペイン空軍の戦闘機が着陸し、共同訓練が行われた。

 

 18日、百里基地正門前では、8団体でつくる百里基地反対連絡協議会の主催で、「日仏共同訓練の中止を求める集会」を開催し、約50名が参加した。

 集会冒頭、木原稔防衛大臣と松浦知寛百里基地司令宛ての日仏共同訓練中止を求める申入書を基地側に手渡した。

 文書では「台湾有事や対中国・北朝鮮の軍事的脅威をあおり、近隣諸国間で敵基地攻撃能力保有や日本国憲法が禁じる集団的自衛権行使につながる軍事的緊張を高めることは果てしない軍拡競争と戦争への道となる。日仏共同訓練は憲法違反であり、亡国の道です」と指摘した。また、「百里基地周辺住民は、長年戦闘機の爆音被害を受け、事故の危険と隣り合わせの生活環境に置かれている」と述べ、地域住民の生活を破壊する共同訓練の中止を要請した。

 百里連協に加盟する各平和運動団体や政党の訴えで、茨城平和擁護県民会議の鈴木博久代表は、「百里基地で他国との共同訓練が頻繁に行われている。私たちは戦争のための軍事訓練に反対し、中止を求める運動を続けていく」と訴えた。社民党県連合の椎野隆副代表は、「安保3文書の改訂以後、防衛費1%を2%に拡大し、世界第3位の軍事大国になる。世界の戦争を見ても軍備で国は守れないのは明らかであり、憲法に基づく平和外交こそ求められる」と声をあげた。

 最後に、参加全員で基地に向かって「日仏共同訓練反対」「敵基地攻撃能力反対」など、シュプレヒコールを行った。

 

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